こんにちは足立区綾瀬の歯医者、新井歯科医院です。
世間ではあまり聞き慣れない歯根嚢胞(しこんのうほう)ですが、実は一般的によくあるお口の中の病気なのです。
歯根嚢胞とは?
歯の奥に膿が溜まる
歯根嚢胞は、神経が死んでいる歯か、すでに神経を取った治療を行なっている歯にでき、生きている歯には起こらない。
歯の内部の神経が入っていた空間が汚れて細菌が繁殖し、根の先端から押し出され、そこに膿が溜まっている状態を指す。
歯髄(神経)が走行している部分を根管と呼びますが、根管内に何らかの理由で感染が起こると、根の先端を通じて顎の骨に膿が溜まります。炎症が強く嚢胞が大きくなると、歯の周りの顎の骨を大きく溶かすこともある病気です。
歯根嚢胞はなぜ起こる?
細菌が奥へ奥へと侵入すると、身体の防衛反応でこれ以上細菌が広がらないように、膿の袋ができてしまいます。
膿とは、細菌と闘った白血球の死骸です。
- 大きな虫歯にかかったり、神経の治療をした後の不十分な処置や劣化により、細菌が侵入。
- 一度治療をして神経のない歯は、もろく、弾力がなく噛む力に負けて割れやすくなる。結果、歯が割れたり、ヒビが入ったりして細菌が侵入し、歯の根に膿の袋を作ってしまう。
- 神経のある歯でも、歯に大きな衝撃がかかると、割れたりヒビが入ったりすることがあり、そこから細菌が侵入し、歯の根に袋を作ってしまう。
歯根嚢胞の症状
7つの症状
- 症状が無いことも多く、レントゲンにより発覚される。
- 歯茎か膿が出る穴ができるため、歯茎に白いおできのような物が出来る。
- 根の周りの骨が歯根嚢胞により大きく溶かされてしまい、歯茎から膿が垂れ流れるように出てくる。
- 噛んだ時に固いものや軟らかいものを判断する、歯の根の周りの歯根膜に、歯根嚢胞の細菌が感染すると噛んだ時に痛みが出る。
- 歯や膿の袋を体の外に出そうという機能が働き、そのため歯ごと外に押し出すため、歯が浮いたように感じる。
- 膿が外に排出されず中に溜まってしまい、内圧が高まって腫れが強くなり痛みも激しくなる。
- 上顎の奥歯に出来た場合、鼻の空洞(副鼻腔)に近いために、細菌が副鼻腔に入り、頭痛が出ることがある。
八重歯の治療について
根管治療
嚢胞が小さい場合に行う歯の根の治療。被せ物、詰め物を全て外し、歯の根をきれいにし無菌状態にする。再度、細菌に感染しないように根の中に薬を詰めて、最後に被せ物や詰め物をする。
歯根端切除術
治らない場合や被せ物をはずせない場合に行う、歯茎を切開して膿を出す治療。
嚢胞開窓術
嚢胞の壁を一部切除して、膿の通り道を作り、膿を出す治療法。麻酔注射をして、歯茎を切り開き、嚢胞の一部を切って膿を出す。一部だけを糸で縫い、傷口が開いた状態に膿が出るようにする。
など
歯科医院で適切な治療法を相談しましょう。