乳幼児は特に注意を!
赤ちゃんには虫歯菌がいないのに…。
新生児の口の中に虫歯菌が存在しないのに虫歯になってしまうのは、生活を共にする大人達から子供へと感染してしまうことが原因である。
家族全員で理解と協力を
乳歯の生え始めるころから感染が始まる。この生え始めの頃から、歯が生え揃うまでの期間は、とくに虫歯菌に感染しやすいため、歯科では「感染の窓」と呼んでいる。
この期間は、食べ物の口移しや噛み与えをしない、離乳食の味・温度チェックを赤ちゃん用のスプーンで行わない、箸やスプーンの共有はしない…といった対策をするように。
大人が使用した箸などの食器にも、虫歯菌は付着しているため、その食べ物を子供に与えることは控える。
ミュータンス菌って?
虫歯に大きく関与する「ミュータンス菌」
虫歯は歯垢の中の菌が作る“酸”によって歯が溶ける病気。
ミュータンス菌とは、大きさは約1μm(マイクロメートル、1/1000mm)の、口の中にいる口腔連鎖球菌の一種である。
なぜ虫歯菌と呼ばれる?
歯に強く付着する
水に溶けないグルカンというネバネバ物質ができ、洗い流されず歯の表面にとどまりやすくなった所に歯垢が形成される。
酸を作る能力が高い
砂糖やブドウ糖から酸を作るミュータンス菌。周りに砂糖が沢山あると、体の中に多糖として糖を蓄え、周りに糖がなくなると、体の中の糖を分解して酸を作る。
酸性の環境に強い
酸を作ると周りの環境が酸性に傾くが、そこでも弱ることなく、酸を出し続ける。
うつった=虫歯ではない。
口の中は常在菌で構成されている
社会生活をしている以上、虫歯菌を絶対にもらわないように過ごすことはほぼ不可能だと思われるため、過剰に心配する必要はない。
また、菌がうつったからといって、必ずしも虫歯になるわけではない。口の中には虫歯菌を含めて約900種類ほどの菌が存在していると言われているため、口の中は無菌状態ではなく、常在菌で構成されている。
歯から歯にうつる?
「口の中に虫歯があると、他の歯にも虫歯がうつりますか?」と、歯科医師に問う患者もみられるが、虫歯が1つあるからといって、他の歯にうつるということはない。
歯ブラシは別々に
色やデザインで区別を
間違えて他者の歯ブラシを使ってしまったら、気持ちを落ち着かせるためにも、まずは新しい歯ブラシに交換するように。また、繰り返さないように、似たデザインは避け、設置場所を変えるなどの工夫を。
ちなみに、歯磨き粉やコップなどの共有程度では、大人同士での場合、歯周病菌は感染する可能性は低いと思われる。歯周病菌をもらったからといって、必ず歯周病を発症するとは限らない。自分の口腔内状況が元々悪ければ感染させる可能性もある。
虫歯菌や歯周病菌と接触したと思われる場合は今まで以上にしっかり歯を磨き、生活に気を遣って様子を見るようにする。元々歯周病菌がいたり、歯茎の状態が完璧ではなかった場合もある。このようなことが起こった時のためにも、普段からしっかりケアを行うことが大切。