高齢者が詰まらせる原因
嚥下機能の低下
人間は食べ物を飲み込む際、筋肉を使って胃に通じる通路を開ける一方、肺への通路を閉じる。筋力が弱まるとこの動きをスムーズにできなくなり、誤嚥を起こしやすくなる。
喉に食べ物が詰まると、通常はむせることで吐き出そうとするが、筋力が足りないと詰まったまま窒息するリスクが高まる。
咀嚼機能の低下
高齢になると歯の本数が減り、食べ物をあまり噛まなくなることも事故の原因になる。また、飲み込む際の潤滑油となる唾液の減少も影響している。
高齢者の噛む力は、壮年期と比較すると1/3~1/10にまで低下するといわれている。食事をしてもうまく噛めないと、咀嚼しきれていない食物が喉を通ることになり、窒息事故につながってしまう!
お餅を食べる時の予防策
調理や食べ方に一工夫
【小さく刻む】
咀嚼が不十分な場合でも窒息のリスクを軽減することが可能。
【しっかり噛む】
餅を窒息しにくい食塊(しょっかい)へと変形させることが重要。
【唾液分泌低下を補う】
汁ものに入れたり大根おろしを添えたりする。
【一人で食べない】
万一の際、周りに人がいなければ救助活動が不可能。
【お酒を飲まない】
飲酒による注意力の低下を防ぐ。
餅はもちもちした食感が特徴的だが、同時に高い付着性を持っており、「喉にくっつきやすい」ということになる。この高い付着性により餅は喉に張りつきやすく、窒息の原因となってしまう…!
代用餅で美味しく
豆腐餅の作り方
片栗粉・・・・・・・大さじ6(60g)
1.耐熱容器に絹ごし豆腐と片栗粉を入れ、フォークでつぶして均一になるまですり混ぜる。
2.ラップをかけて電子レンジ(600W)で2分加熱して混ぜ、ラップをかけなおし、更に1分50秒~2分加熱してしっかり混ぜる。
※コシが強いため丈夫なスプーンかフォークで混ぜる様に。
3.手で千切って器に入れ、雑煮などの汁と具をかける。
もしもの時は!
1. 咳をさせる
強制的に咳をすることでポロッと異物が取れることがある。
2. 背部叩打(こうだ)法
患者の背後から手のひらの基部で、左右の肩甲骨の中間辺りを力強く何度もたたく。
3.腹部突き上げ法(ハイムリッヒ法)
患者の背中側に立ち、ウエストあたりで両手を廻し、利き手を拳にし拳の親指側を「へその上→みぞおち」にスライドさせる。下からの圧力で異物が取れるように操作を。
4.ファイブ アンド ファイブ
「3」でもダメだった場合、「2」に戻って5回→「3」を5回……と、背部叩打法と腹部突き上げ法を繰り返す方法。
「3」以上のケースでは、並行して119番通報を!