誤嚥性肺炎を引き起こす!?
高齢者は特に注意を!
歯周病を引き起こすのは、プラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊。中でも白血球に害を与えたり毒素を出すものがあり、誤嚥性肺炎の原因菌にもなる。
食事中に誤って気管に入ったり、睡眠中に細菌を含んだ唾液を飲み込んでしまう場合がある。
介護の現場でも
誤嚥性肺炎を起こした高齢者の口の中を確認した際、歯の根元に多量の細菌や食べかすが付着していた。歯の治療や歯石除去の後に、介護をする家族にもブラッシング指導を行い、症状が改善したという例もあった。
糖尿病との関係
歯周病があると、どうして血糖値が高くなる?
出血や膿を出しているような歯周ポケットからは、炎症に関連した化学物質が、血管を経由して体中に放出されている。
ポケットから出て血流にのった炎症関連の化学物質は、体内で血糖値を下げるインスリンを効きにくくするため、糖尿病が発症・進行しやすくなるといわれている。
心筋梗塞や脳梗塞
動脈硬化を起こした部位から歯周病菌が!
【心筋梗塞、狭心症とは】心臓の動脈が詰まったり狭くなったりする
【脳梗塞とは】脳の動脈が詰まったり狭くなったりする
これらの病気により血管が膨らんで破れてしまうと、命に関わる深刻な事態を招くことに!
動脈硬化を起こした血管の中のプラーク(動脈硬化の病巣)を調べると、歯周病菌が見つかるというケースが、アメリカでも日本でも相次いで報告された。
また、アテローム性動脈硬化 (コレステロールなどの脂質が動脈内膜に沈着したもの) の部分からも歯周病菌が検出されたといわれている。
その他の症状との関連
骨粗しょう症
重度の歯周病(歯槽膿漏)で歯を失うと、噛む力が低下し、柔らかい食べ物ばかりを選び、バランスのとれた食事をしにくくなり、体全体の骨密度が低下する可能性が高くなる。
早産・低体重出産
歯周病にかかった歯周組織が作り出す “プロスタグランディンE2″という物質は、陣痛促進剤として使われているものであり、自らの体内で早産を促している状態になってしまっている。