こんにちは足立区綾瀬の歯医者、新井歯科医院です。
今回は意外と知られていない、酸蝕歯についてふれてみたいと思います。
酸蝕歯は自覚症状が少ないため知らないうちに進行してしまう特徴があり、注意が必要です。
酸蝕歯と虫歯の違い
酸蝕歯
- 歯は酸に弱いが、唾液が酸を洗い流して中和するため、通常は大きな問題は起きない。しかし、飲食物や胃酸などに含まれる酸に長時間、または繰り返し触れていると、唾液の中和作用が間に合わなくなる。
- 酸により軟化したエナメル質は徐々に弱くなり溶けてしまい、さらにその下の象牙質がむき出しになり、歯がしみたり、もろくなって欠けたりすることも。
これらの現象を歯の酸蝕という。
虫歯
- 菌が食べ物に含まれる糖分などを酸に変え、歯垢を形成し、虫歯を発生させる。
- また、唾液成分と結合した歯の表面の細菌が、歯垢となって歯に付着する。
- 細菌は歯垢の中で酸を作り出し、エナメル質を徐々に分解し、虫歯を発生させる。
当てはまる方は要注意
初期の症状
- 歯にライトの光をあてると、歯の先のほうが透明になって見える。
- 熱い物や冷たい物を飲んだときにしみる(知覚過敏)。
- 以前に比べて歯の色が少し黄ばんで見える。
- 歯の表面や角の部分が丸みを帯びて見える。
- 歯に艶がない。
黄色く見えるのは溶け出したエナメル質が透けて見える、象牙質の色です。
中期の症状
- 歯の先端が透けて見える。
- 熱い物や冷たい物を飲んだときにとてもしみる(重度の知覚過敏)。
- 過去に治療した被せ物や詰め物が取れやすくなる。
- 歯の表面に小さなへこみが出てくる。
- 以前に比べて歯の色が明らかに黄ばんでくる。
酸性度が高いものが原因
飲食物の酸性度
酸性かアルカリ性かの定義は、pH値(ペーハー値)によって示される。
生活習慣を意識する!
食べ方や歯みがきの見直しを
だらだらと食べ続けない、間食をしない、食後には水を飲むなど、食べ物が口の中に留まり続けないよう気を付ける。
就寝中は口の中の唾液の分泌量が減り、歯の再石灰化が起こりにくくなるため、酸蝕歯が進行しやすくなる。就寝前の飲食は控える。
歯のエナメル質は酸に触れることで柔らかくなってしまう。
そのため、酸性の強いものを口にしたあと、すぐに歯を磨いてしまうと、エナメル質が削られてしまい、酸蝕歯になりやすくなる。食べた直後に歯を磨かない。
酸蝕歯の進行をストップさせるためには、歯の再石灰化を促すことが必要。フッ素やリカルデントには、歯を硬くしたり、再石灰化を促す作用があるため、それらを含んだ歯磨き粉の使用がオススメ。
唾液の分泌を増やして酸蝕歯の予防を。
ガムを噛むことは効果的だが、糖分が入っていない、フッ素やリカルデントの含まれたものがより効果的。