掌蹠膿疱症とは
掌蹠膿疱症について
「掌蹠膿疱症」とは、手のひらや足の裏に、膿をもった小さな水ぶくれ(膿疱)がくり返しできる病気。
膿疱の中には、細菌やウイルスなどの病原体は入っていない無菌性膿疱(むきんせいのうほう)であるため、直接触れても人に感染することはない。
症状
小さな水ぶくれ(水疱)からできる膿疱であることが特徴。出来始めにかゆみを伴うことが多く、しばらくすると膿疱が乾き、茶色っぽいかさぶたとなり、はがれ落ちる。
まわりの皮膚にも炎症がおよんで赤くなり、表面の角層(かくそう)が浮いてきてカサカサする。角層がつみ重なって厚くなると、歩くたびにひび割れて痛みを生じてしまう。
なぜ原因が口の中に?
歯科治療で使われる金属
一般的な歯科医院では、虫歯を削ったり、なくなった歯を補うために金属の詰め物や被せ物を入れて治療する。
この金属が掌蹠膿疱症の根本的な原因、または悪化の原因になることがある。
歯科材料
被せ物と歯を接着させるための材料であったり、小さな虫歯を治す時に使われるレジンと呼ばれるプラスチックが原因になることもある。
たばこ
掌蹠膿疱症の患者の7~8割は1日20本以上の20年以上の長期喫煙者という報告がある。
歯周病との関連
口の中の炎症
歯周病や歯の根っこの先が膿んでいたり、口の中に炎症がある場合は、悪化の原因になる。また、歯の汚れ(プラーク、歯石)が多い方も要注意。
飲食の際に、食べ物・飲み物は口から入るため、口の中の汚れも一緒に飲み込んでしまう。
そのため、口の中の汚れは、流れて体の中に溜まり、全身の病気や炎症のもとになってしまい、掌蹠膿疱症の悪化の原因にもつながる。
改善のための治療
歯茎に炎症(発赤、腫脹、出血)がある場合は歯周病の治療を行う。
また、レントゲン写真で歯の根の先に膿が溜まってできているのが確認された場合は、被せ物を外して根っこの消毒(根管治療)を行うこともある。
予防法
日常生活で気をつける事
・良好な口腔環境を保つ。
・風邪や扁桃炎の予防、皮膚への刺激を避ける。
・規則正しい食生活や、ストレスをためこまないことなども心がけるようにする。
・喫煙者は禁煙を心がける事も大切。
こまめな保湿
掌蹠膿疱症では、手のひらや足の裏が乾燥しやすく、ひび割れを起こしやすいので、こまめな保湿をするように。