『歯』という字を考える
象形文字の成り立ち
歯は、口の中にあり、ものを嚙み砕く、人体で一番硬い組織であり、旧字体では「齒」と書く。歯という漢字の起源は今から四千年ほど前に遡る。
読み方と部首
音読み・・・「シ」
訓読み・・・「は」「よわい」
部首・・・・「は」「はへん」
「歯」と「齒」の違い
新字体の「歯」は常用漢字。
旧字体の「齒」は、常用漢字でも人名用漢字でもない。
『齢』の漢字の成り立ち
読み方と意味
音読み・・・「レイ」
訓読み・・・「よわい」
意味・・・・1:生まれてから重ねてきた年数。年齢。
2:年配。年ごろ。
人間の生きた年=歯の状態
古代中国の人は、歯の状態が人間の生きた年齢を表すと気づいていた事が察せられる。
右側の部首「令」は、頭上の冠と跪く人を表した象形文字。
ここから「令」は「立派な、清らか」などの意味を持つようになった。
立派な歯とは、「等間隔に綺麗に並んだもの」であり、年数も「等間隔に刻み込まれる」ものである。
転じて、「年数」を表す「齢」という文字が誕生したといわれている。
知って得する…?歯の部首を持つ色々な漢字
齔 | 音読み・・・「シン チン シュン」 訓読み・・・「みそっぱ」 意味・・・幼い/歯が抜け変わる年齢の子供/歯が抜け変わるなど。 |
齲 | 音読み・・・「ウ・ク」 訓読み・・・「むし歯」 例・・・齲歯と書いて「ウシ」「むしば」とも読む。 |
齟 | 音読み・・・「ソ ジョ など」 訓読み・・・「か(む)、くいちが(う)」 意味・・・くいちがう/かむなど。 例・・・齟齬(そご)。物事がうまくかみ合わないこと。 |
齧 | 音読み・・・「ゲツ ゲチ」 訓読み・・・「かじ(る)、か(む)」 意味・・・歯でものの一部をかみ切る。かじる。 例・・・齧歯類(げっしるい)。リスやネズミなど。 |
齶 | 音読み・・・「ガク」 訓読み・・・「はぐき」 意味・・・はぐきなどの意味。または歯がぶつかりあうようす。 |
齷 | 音読み・・・「アク」 意味・・・心に余裕がないため、せっかちに物事を行う様子。 例・・・齷齪(あくせく) |